RPA導入の注意点:失敗しないための対策とポイント
2025.06.19
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近年、業務の効率化や人手不足対策として、中小企業でもRPA(ロボットによる業務の自動化)の導入が広がっています。業務を自動化して効率アップ!というイメージで、興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。RPAを使えば単純な繰り返し作業をロボットに任せられるため、社員の方々はより創造的な仕事に集中できるようになります。
しかし、「RPAを入れれば自動的に業務が楽になる」と簡単に考えて導入すると、思わぬ失敗に終わることがあります。
- 動かすまでに時間がかかる
- 担当者しか仕組みが分からずブラックボックス化する
- トラブル時にすぐ止まってしまい、結局手作業に戻る
こうした声を多く耳にします。便利なはずのRPAが、かえって負担になってしまっているケースもあるのです。
経産省が発表したDX(デジタルトランスフォーメーション)レポートによると、RPAを含むデジタル化プロジェクトの約70%が期待した成果を上げられていないというデータがあります(出典:経済産業省「DXレポート2」2020年)。このコラムでは、RPAの導入を検討している中小企業の担当者の方に向けて、失敗しないためのポイントと注意点、そして効果的な対策について、わかりやすく解説します。最終的には、成功のためのRPA導入支援サービスの活用方法についてもご紹介します。
RPAって何? 基本から理解しよう
RPAとは、簡単に言うと「パソコン操作の自動化ロボット」です。今まで人間が行っていた定型的なパソコン操作を、ソフトウェアのロボットが代わりに行ってくれます。例えば、以下のような作業を自動化できます:
- エクセルへのデータ入力
- 社内システムへの情報登録
- メールの作成と送信
- データの集計や報告書の作成
- 複数のシステム間でのデータのコピー&ペースト
RPAを導入すると、以下のようなメリットがあります:
- 社員の作業時間が短縮され、他の業務に集中できる
- 入力ミスなどのヒューマンエラーがなくなる
- 夜間や休日も作業を続けられる
- 単純作業から解放され、社員の満足度が上がる
- 長い目で見れば人件費の削減になる
しかし、これらのメリットを実現するためには、きちんとした準備と計画が必要です。次に、RPA導入前に考えるべき注意点を見ていきましょう。
RPA導入前の注意点:事前準備が成功の鍵
1. 業務の流れを「見える化」していない
RPAを導入する前に、まず自動化したい業務の「見える化」が必要です。多くの中小企業では、業務の手順が文書化されておらず、担当者の頭の中だけにあることが少なくありません。
対策:
- 業務の流れを図や文書にして整理する
- 業務の手順書を作る
- 「〇〇の場合はどうする?」といった例外パターンも洗い出しておく
2. 自動化に向いていない業務を選んでしまう
すべての業務がRPAに向いているわけではありません。人間の判断が必要な複雑な業務や、頻繁にルールが変わる業務は自動化の効果が薄いことがあります。
対策:
- 繰り返し発生する単純作業を優先して選ぶ
- 作業のルールが明確で変わりにくい業務を選ぶ
- 費用対効果を考えて業務を選定する
3. システム環境の整備不足
RPAは既存のシステムを操作するためのロボットです。システムの画面が変わったり、更新されたりすると、RPAの設定も変更が必要になることがあります。
対策:
- システムの更新予定を確認しておく
- システム担当者との連携体制を作る
- テスト用の環境を用意する
RPA導入時の五つの注意点とその解決方法
1. RPAツール選びの失敗
市場にはさまざまなRPAツールがあり、それぞれ特徴や得意分野が異なります。自社の業務に合わないツールを選ぶと、使いこなせなかったり、想定していた業務が自動化できなかったりします。
解決方法:
- 自社の業務に合ったRPAツールを選ぶための基準を決める
- 複数のRPAツールのお試し版を使ってみる
- サポート体制や料金体系も含めて比較する
- 将来的な拡張性も考慮する
2. 社内の体制づくりが不十分
RPAの導入には、システム担当者だけでなく、実際に業務を行っている現場の協力も必要です。しかし、多くの中小企業では部門間の連携が不足していたり、誰が何を担当するのかが不明確だったりします。
解決方法:
- RPAを推進するチームを作る(システム担当と現場担当の両方を含む)
- 誰が何をするのか、役割分担を明確にする
- 定期的に進捗を確認する場を設ける
- 経営者や管理職の理解と協力を得る
3. ロボットの動作設定が難しい
RPAのロボット(シナリオと呼ばれることも)を作成するには、ある程度の専門知識が必要です。また、作成したロボットの管理体制が整っていないと、トラブル発生時に対応できません。
解決方法:
- RPAのロボット作成を学ぶ研修を実施する
- 外部の専門家の力を借りる
- ロボットの設定内容を文書化する
- 定期的にロボットの動作を見直し、改善する
4. 例外パターンへの対応が不足
業務には様々な例外パターンが存在しますが、これらをすべて事前に想定してRPAに組み込むことは簡単ではありません。例外への対応が不十分だと、ロボットが止まってしまったり、誤った処理をしたりします。
解決方法:
- 業務の流れを詳細に分析し、例外パターンを洗い出す
- エラーが発生した時の対応方法を決めておく
- 人間がチェックする仕組みを残しておく
- エラーログを確認する体制を作る
5. 運用・保守の体制が不十分
RPAを導入した後の運用・保守体制が整っていないと、システム変更時の対応が遅れたり、トラブル発生時に迅速に解決できなくなったりします。
解決方法:
- わかりやすい運用マニュアルを作る
- 定期的なメンテナンス計画を立てる
- トラブル発生時の対応手順を決めておく
- 運用状況を定期的に確認し、改善する
RPA導入の手順:成功事例から学ぶポイント
一方で、RPAの導入に成功している中小企業もあります。そうした会社に共通するのは、「RPAを自社の社員のように扱っている」という点です。
- 「この仕事は毎日9時に“RPAくん”が処理します」と明確に役割を決める
- 担当者一人に任せず、複数人で運用を見守る体制をつくる
- ちょっとしたトラブルも相談できるパートナー(ベンダーや支援会社)を持つ
RPAを効果的に導入するための手順を実践的に詳しく解説します。
STEP1: 業務分析と自動化する業務の選定
まず現状の業務を詳しく分析し、RPAに適した業務を選びましょう。特に、以下のような条件を満たす業務が優先されます:
- 毎日・毎週・毎月など定期的に発生する業務
- 明確なルールに基づいて判断できる業務
- 処理する量が多い業務
- 人為的なミスが起きやすい業務
総務省の「共通業務における課題と自動化の効果」調査によると、経理・人事・情報システム管理などのバックオフィス業務は、RPA導入による効果が高いとされています(出典:総務省「自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会報告書」2018年)。
STEP2: 推進体制の構築
RPA導入を成功させるためには、適切な推進体制を作ることが大切です。IDC Japanの調査によると、RPA導入に成功した企業の85%が、部門横断的なチームを結成していたという結果が出ています(出典:IDC Japan「国内RPA市場動向調査」2021年)。
- 経営者の理解と協力を得る
- システム担当と業務担当の両方を含むチーム編成
- RPAを推進する担当者を決める
- 必要に応じて外部の専門家に相談する
STEP3: RPAツールの選定
自社の業務内容や予算に合ったRPAツールを選ぶことが重要です。RPAツールは大きく分けて「操作録画型」と「フロー作成型」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります(出典:一般社団法人日本RPA協会「RPAツール選定ガイドライン」2022年)。
- 必要な機能を整理する
- 複数のRPAツールを比較検討する
- デモや無料トライアルを活用する
- 将来的な拡張性も考慮する
STEP4: 小さく始めて効果を確認
全社的に展開する前に、小規模な試験的導入を行うことで、リスクを最小限に抑えながらRPAの効果を確認できます。ポイントは、「最初から完璧を目指さないこと」。RPAはあくまでツールです。最初から難しい業務を全部任せようとせず、小さな業務から始めて、「あ、これ便利だね」と社内に浸透させていくことが大切です。
STEP5: RPAを使い続けるための運用と効果測定
RPA導入支援サービス活用のメリットと選び方
ここまで見てきたように、RPA導入には様々な注意点や課題があります。これらを自社だけで解決するのは、特に中小企業では人材や時間の制約があり簡単ではありません。そこで重要になるのが、専門的な知識を持つRPA導入支援サービスの活用です。
RPA導入支援サービスのメリット
- 専門知識とノウハウの活用
導入支援サービスは多くの導入事例を持ち、業種別の特性や課題を熟知しています。これにより、自社で試行錯誤するよりも効率的にRPA導入を進めることができます。 - 失敗リスクの低減
上述した様々な注意点や課題を事前に把握し、対策を講じることで、導入失敗のリスクを大幅に減らせます。 - 短期間での導入と効果創出
専門家の支援により、導入期間を短縮し、早く効果を出すことができます。 - 社内人材の育成
導入支援を通じて、社内のRPA担当者を育成できます。将来的に自社で運用するための基盤づくりにもなります。
RPA導入支援サービスを利用した企業は、自社のみで導入した企業と比較して、約40%短い期間で導入が完了し、ROI(投資収益率)も約30%高いという調査結果があります(出典:Forrester Research「RPA導入支援サービスの効果分析」2021年)。
RPA導入支援サービス選びのポイント
- 業界知識と導入実績
自社と同じ業種での導入実績が豊富な支援サービスを選ぶことで、業界特有の課題に対応できます。 - サービス内容の範囲
業務分析からツール選び、ロボット開発、運用支援まで、必要なサービス範囲をカバーしているかを確認します。 - 継続的なサポート体制
導入後の運用支援や保守サービスが充実しているかを確認します。 - 費用対効果
支援サービスの費用と期待される効果を比較し、投資対効果を評価します。
まとめ:RPA導入成功のために
RPA導入は、単なるツール導入ではなく、業務改善の一環として考えることが大切です。成功のためには、以下のポイントを押さえておきましょう:
- 業務の流れを見える化・標準化する
RPAは今ある業務をそのまま自動化するツールです。非効率な業務をそのまま自動化しても、十分な効果は得られません。まずは業務の見直しと標準化を行いましょう。 - 段階的に導入を進める
一度にすべての業務を自動化するのではなく、効果が見込める業務から順に導入していくことが効果的です。小さな成功体験を積み重ねることで、社内全体のRPAへの理解と受け入れが進みます。 - システム担当と現場担当の協力体制を作る
RPAは、システム担当だけでも現場担当だけでも成功しません。両方が密に連携し、それぞれの専門知識を活かした協力体制を作ることが重要です。 - 継続的に改善する仕組みを作る
RPAの導入はゴールではなく、継続的な改善のスタートです。定期的に効果を測定し見直すことで、常に最適な状態を保ちましょう。 - 専門家による導入支援を活用する
このコラムで解説したように、RPA導入には多くの注意点や課題があります。これらを効率的に解決するためには、専門知識を持つ導入支援サービスの活用が必須と言えるでしょう。
RPAは正しく導入・運用することで、中小企業の業務効率化と人手不足対策に大きく貢献するツールです。本コラムが、皆様のRPA導入成功の一助となれば幸いです。
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